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経済的自立と早期リタイヤを意味する”FIRE”。FIREを目指すなら税金ことも覚えておこう!
最近よく目にするFIREという言葉
FIREとは、経済的自立と早期リタイヤを意味する「Financial Independence, Retire Early」の頭文字からきている言葉です。
よく言われているFIREの基準は、年間の総支出額の25倍の資産を作ることとされています。
たとえば、年間の支出額が360万円の家計の場合には、9,000万円の資産があれば”FIRE”できると言われています。
この話の根拠は、米国のトリニティ大学の研究論文からきているそうです。
この論文には、株式と債券に分散したポートフォリオをつくり過去の市場からシミュレーションしてみると、年間4%づつ取り崩しをした場合、30年後も資産がゼロにならないとされていました。
その為、年間支出額の25倍と言う資産額は、そこからの取り崩し額が4%の計算に収まるので、早期リタイヤの目安として言われるようになったわけです。
FIREを目指すなら、税金のことも考えよう!
FIREした場合というのを想定すると、それまで会社員などとして働いていた場合とは税金の扱いが大きく変わってきます。
会社員が受け取る給料は、税法上、給与所得いわれています。そして給与所得には、給与所得控除という有利な控除制度が利用できるので、所得税や住民税の納税額が抑えられるようになっています。
反面、FIREをした場合の所得の多くは、金融商品を売却した時の利益や配当金、分配金といったものとなります。(トリニティの論文で想定されている株と債券のポートフォリオを想定しています。)
これらの金融所得の課税では、当然ながら給与所得控除は使えません。
売却した収益、配当金、分配金のほとんどが一律20.315%という税率になり、おそらく多くの方が給与所得の時より高い税率で課税されることになると思われます。
仮に300万円の利益を得たとすると、約60万円の納税です。手取りは240万円になります。
さらに、会社を辞めているため、厚生年金や社会保険ではなくなるため、国民年金と国民健康保険料の支払いが発生してきます。
そうなってくると、実質的に手に入る可処分所得(手取り)はどのくらいになるのでしょうか?
もしかすると、税金等の支払いだけで100万円近くもなる恐れがあります。
つまりは、働かなくても360万円の収入があると思って早期リタイヤしても、その後に実際の生活費として使える手取り収入は260万円ぐらいという事も十分にあり得るわけです。
さらに言えば、会社員時代は、年末調整という税金の計算を会社の方でしてくれていましたが、FIRE後は、自分で確定申告をしなければなりません。
上手に節税や税務申告を行う事も大切になってくるものと思われます。
FIREをするなら、ぜひ税金のことも考えてみてください。
”FIRE”後の税金の相談も山口会計事務所では受け付けております。
実際に”FIRE”する前に、ぜひ一度ご相談に来てみてください。
お待ちしております。